『幽霊男』 by 横溝正史 : いや、吸血男じゃないの?
個人的な作品評価
項目 | 星評価 | コメント |
---|---|---|
猟奇度 | ★★★☆☆ | 冒頭から包帯男、吸血シーンが登場!そして中盤でも生き人形が、これでもか、という感じに登場!活躍する少年探偵も色を添える。ただ、横溝正史ファンにはちょっとありきたりで物足りないかな? |
謎難度 | ★★★☆☆ | 登場人物少なめ。なので、分かる人には分かるらしい。 |
名前の強引度 | ★★★★★★ | 題名になっている幽霊男、だけど、幽霊は別に血を吸わないような… |
登場人物
警察関係者と探偵は除く。
広田圭三:共栄美術倶楽部の支配人。
佐川幽霊男:三本歯の気味が悪い男。
津村一彦:吸血癖のある絵描き。蜘蛛好き。
共栄美術倶楽部の客。
加納三作:医学博士。
菊池陽介:実業家の息子、元大会社社長。
建部健三:新東京日報社記者。
ヌードモデル
小林恵子:ややみすぼらしい。
都築貞子:
宮川美津子:売れっ子。気品に欠ける。
西村鮎子:超売れっ子。万事に洗練されている。
武智マリ:
小林浩吉:小林恵子の弟。
本多支配人:高級ホテル百花園の支配人。
河野十吉:生き人形つくりの名人。
梶原:ストリップ劇場の悪魔役。
マダムX:謎の婦人。
- 作者: 横溝正史
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2013/05/31
- メディア: Kindle版
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以下、ネタバレをある程度抑えた感想。
感想
主人公が固定されておらず、語り手の視点がコロコロ変わるのが少々ストーリーを追いにくくしている。最初の評価でも書いたように、猟奇性はちょっと無理やりつけたような…。
登場人物が少なく、いかにも怪しすぎる人、明らかに違う人を除けば、犯人の候補はほぼ絞られてくる為、目星を付けれる人は多いかも。ただ動機やトリックを含めて真相まで辿り着けるかは難しい。しかし、登場人物の背景や、行動が細かく記されているため、結末を知ってから読み返すと、数々の伏線に気がつくはず。その辺りは流石。
金田一耕助の防御率があちこちで指摘されているんだけど、結局犯人は、最後の目的の人物を殺せなかったんだから、まあ、よしとすべきでは?金田一が守った感じではとても無いけれど。
一行『幽霊男』
寝取られ男が、復讐のため、ヌードモデルを殺しまくる話。
豆知識
マダムXこと三橋絹子は、『吸血蛾』にも、本当にちらっとだけど、登場します。