『リー・クアンユー、世界を語る』 - オバマ、クリントン、シラク、習近平が敬愛するシンガポールの伝説
気になった部分を抜粋
インドが台頭しないと、アジアは没落してしまう。それを阻止するためには、アジアでのインドのプレゼンスが必要だ。インドは番人として、東南アジアの小国の安全保障、政治的安定、経済発展に積極的に関与する存在となってほしい。
私の定義するシンガポール人というのは、だれであろうと我が国の一員として受け入れる国民性を持っている
我が国は制度をクリーンにした。
前に進めるのは、さまざまな文化や発想を融合した創造力を発揮できる企業だ。
グローバル化は、公正かつ受け入れ可能で、世界の平和を守る、唯一の答えなのだ。
指導者の仕事は国民を勇気づけることであり、ふるいたたせることであって、苦悩や葛藤を共有することではない。
国民に最もアピールしやすいのは、単純かつ感情に訴える制作だ。経済発展や進歩といったわかりにくいものではなく、たとえば、民族や言語、宗教や文化に誇りをもとう、といった単純な内容だ。
家庭をもつ40歳以上の国民は1人2票もつ制度に変えたほうがいいと思っている
「もし20万人の学生が撃たれる事態になったら、撃て。さもないと中国の混乱は100年続く」*2
社会が繁栄するには、優秀な人材を育てながら、平均的な人材に向上心を持たせるバランスを取る必要がある。
我々は援助をしているが、その援助を求められるのは他に選択肢のない国民だけだ。
揺り籠から墓場までという福祉主義は、多くの新進企業家の野心を摘んでしまった。
中国は自由民主主義にならない。もしそうなったら国が崩壊する
国土が狭く、人口が増えないシンガポールは日本と似た問題点を抱える。異なるのは地理的、人種的影響。インドに近く、中国が交じる。
上記理由からか、あくまで中国を肯定し、インドを極めて重要視する。インドは中東への扉でもあり、まさに世界のハブとなりつつある。
それに比較して、ロシア、ブラジルに対しては冷ややかだ。
アメリカの「多様性」から生まれる革新、再生への能力への高い信頼性によせ、シンガポールも同等の姿へと変えようとしているよう読み取れた。
世界はテクノロジーの発展により、否が応でもグローバル化、フラット化へ向かう。その状況で日本はその言語性特異性を活かし、円安を背景に、鎖国を強めるのか?それとも台頭する中国、インドに飲み込まれてしまうのか?前者は中国が向かう道でもあり、危険だ。果たして日本に天才は現れるのか。