たたたた。

あんまりじろじろ読んじゃ嫌。

『隻眼の少女』 by 麻耶 雄嵩 : 普通のミステリには飽き飽きしてしまった人に。

こういう人にオススメ

  • 隻眼の少女、という厨ニ設定にすっごくワクワクする人

いきなりネタバレマックスでいきます。

謎解きってなんだ

この作品の最大の特徴、それは提示された謎解きの解決が2回も否定されることだ。1回ならままあるどんでん返し、しかし2回も否定されるのは、珍しい。その特徴と、トリッキーな登場人物設定により高い評価を得て、ハマる人はトコトンはまった。

しかし、このことは弱点にもなっている。2回も解決が否定されたって言うことは、推理が誰もが否定出来ない物証によるものではなく、類推、論理によるものからだったことからを示唆している。つまり、「XXXから、犯人は左利きと推理!」→「犯人は左利きと思わせたかった、つまり右利き!」。こんなことやっていたら、何でもアリになるわな。これが後期クイーン問題っていうやつ。

麻耶雄嵩はアンチミステリー作家、として名高い。だから意図的に、推理なんて、見方によってはどうとでも取れる、そういうもんなんだよ、と言いたかったのかもね、と思った。

だから、推理があたった!っていう人はそれほど威張るものでもない。何故なら真相なんて作者が決めるものなのだから。真相にきづくことが出来た人は、作者を褒めるべき。伏線の出し方が上手かった、ということに過ぎないのだから。

よくないところ

それにしても麻耶雄嵩は文章を書くのが下手すぎるんじゃないのかと思うんだけど、どうなんだろ?
この作品はかなりの部分が登場人物の会話で占められている。
この会話で説明するっていうのは、書くのが楽で、しかも文章量を稼げるっていう手だ。 で、会話の文だけでは、誰の発言か分かるほど書き分けられているわけではない。

漫画家に比べると、日本ではプロットと、執筆がわかれている小説家は少ない。岡嶋二人は有名だけど。海外では多いそうだ。
今ちょっと考えたのだけど、これは出版社、編集がちゃんと仕事をしているからでは?と思った。根拠は全くないんだけど。