たたたた。

あんまりじろじろ読んじゃ嫌。

『8の殺人』 & 『0の殺人』 by 我孫子武丸 : 0が8より評価が圧倒的に高いんだけど、そんなに違う気がしないのは書かれてから時間が経って読んだからなのだろうか?

こういう人にオススメ

  • サクッとミステリを読みたい人
  • 小説に深い文章表現などを強制しない人
  • ミステリ入門者

感想

我孫子武丸島田荘司の推薦でデビュー、新本格派の一人だけど、まさにデビュー作から新本格派の雰囲気バリバリ。『8の殺人』 も『0の殺人』も、最も楽しいのはそのトリックであって、動機やプロット、登場人物の描画なんて二の次。あっさり読めるという点も、それだけ密度濃く、純粋にトリックを楽しめる、という点で僕はポジティブ。

そういえば、なんだか作家って、デビュー作が最もスッキリと短く、慣れてくるに連れて技巧が上がるためか、原稿料単価のせいか、長くなる人が多くなる傾向があるように感じている。例えばショートショートの大家、星新一だって『ボッコちゃん』は50編入っていて最多だ。で、全然分厚くない。他の例ではハリー・ポッターとかでさえ、途中からガクッと長くなっている(読んでいないから密度は分からないけど)

その意味で、ギュギュっとつまった本作はサクッと読めて最高。

新装版 8の殺人 (講談社文庫)

新装版 8の殺人 (講談社文庫)

以下、ネタバレにじみ出る感想

8の殺人

最初の殺人のトリックは比較的簡単。僕でも分かった。利き手のヒントもあるし。でも犯人は分からなかった…。っていうか、この犯人を当てるのは無理でしょ。その意味で、怒る人は多い気がする。と、蛇足な気もするんだけど。最初の推理の犯人じゃ、駄目だったのだろうか?ただ、それではこの作品はここまで人々の記憶に残る作品にならなかったんだろうけど。

0の殺人

タイトルが秀逸。それ以外はうーん。ちなみに、3番めのみ、トリックが分かりました。評価のたかさの6割はタイトルから、3割はユーモアを感じる登場人物&文章から、じゃないかと邪推。