たたたた。

あんまりじろじろ読んじゃ嫌。

『貸しボート十三号』 by 横溝正史 : 短編その1 『湖泥』 岡山での小さな事件

個人的な作品評価

項目 星評価 コメント
猟奇度 ★☆☆☆☆ せっかくの岡山なのに、全くと言っていいほど無い。義眼くらい?
謎難度 ★★★★☆ 元々は読者への挑戦だったらしいけど、僕にはとても無理。
動機が横溝っぽい度 ★★★★☆ ネタバレになるかも、なので後ほど

とある山間の僻村、ここに対立する2家があった。そこに上海から引き揚げてきた母子家庭、その娘は成長するにつれて美貌を極め、有力2家の跡取り息子が花嫁争いをくりひろげる。ある日、隣村の祭りに行った娘が行方不明となる。婚約者である青年の村祭りの夜の怪しい行動、空白の時間。偽装された手紙。金田一耕助はひょんなことから娘の死体を発見するが驚くことに片目が無かった…。

登場人物

御子柴由紀子:上海帰りの美貌の娘。
御子柴啓吉:由紀子の弟。

北神浩一郎:村の有力者である北神家の跡取り。由紀子の婚約者
西神康雄:村の有力者である西神家の跡取り。由紀子にふられる

北神九十郎:敗戦ボケしている引揚者。

志賀恭平:村長。
志賀秋子:恭平の後妻

木村刑事:村の若い刑事。

以下、ネタバレをある程度抑えた感想。

感想

短編であり、引き込まれるように一気に読めた作品。対立する2つの名家、戦争での引揚者、と如何にも金田一!という舞台が揃ってはいるが、猟奇性を求める人にはやや物足りないかもしれない。

雑誌掲載時は挑戦形式となっていて、ミステリマニアである著名人が回答を寄せたたが、当たらなかったとのこと。それだけ真相を当てるのはかなり困難。北神、西上の両息子ややり手の村長など、犯人候補が複数いて全く絞られない上に、動機がかなり意外なもの。本陣殺人事件などの動機も大概だし、横溝正史らしいっちゃらしいんだけど…。なので、謎解きしたい人へのヒントは

  • 動機は考えないほうが良い
  • 義眼を何故取ったか?は考えない方がいい
  • 義眼が何処へ行ったのか?は考えた方がいい

というところだろうか?しかし、これでは分かる気がしないんだけど。僕はてっきり、義眼を持っていったのは殺したことの証として。つまり実行犯はXXXで、それを命じたのは○○○とか推理してしまった。

一行『湖泥』

インビジブルマンが活躍する話。

金田一耕助の名言

『栓を必要とするものは、その栓のしっくり合う容器の持ち主だ』