たたたた。

あんまりじろじろ読んじゃ嫌。

『吸血蛾』 by 横溝正史 : さくさくと人が死んでいく金田一耕助の真骨頂...

個人的な作品評価

項目 星評価 コメント
猟奇度 ★★★★☆ 普通に出てくる狼男、アドバルーンで吊るされる脚、踊る脚など、ちょっと普通の世界と違うので、高めです。ピグマリオニズム(人形偏愛症)って言葉も初めて見ました。
謎難度 ★★☆☆☆ 登場人物少なめ。トリックも特に無いです。犯人当て向きではないかも。
ムッシュウ度 ★★★★★★★★★ Qって。

登場人物

金田一耕助:名探偵
等々力警部

浅茅文代:人気デザイナー。
村越徹:文代の弟子。中性的。
川瀬三吾:新東京日報社の記者。
増山半造:支配人。肥り肉で背が低い
長岡秀二:某大会社の重役。文代のパトロン
江藤俊作:虫好きの絵描き。
日下田鶴子:デザイナー。文代のライバル。 伊吹徹三:文代のパリ時代の恋人

モデル(虹の会)
滝田加代子:一番美しい。
葛野多美子
赤松静江:一番若い。
有馬和子
杉野弓子
日高ユリ
志賀由起子

以下、ネタバレをある程度抑えた感想。

感想

おいこら、金田一。お前は犯罪を防ぐ気あるんかい!と突っ込みたくなる、そういうファンにはたまらない逸品。いや、最後の最後までほぼ何もしないです。で、その最後の謎解きシーンで奴がしたことと言ったら…。紹介した三橋絹子も平謝りでしょう、きっと。

ある職業のグループに所属する女性が殺されていく構成は、『幽霊男』を彷彿とさせます。主人公が特にいないところも。新聞記者が活躍(?)するところも。

登場人物は比較的多いんですが、さくさく死んでいくのと、怪しすぎる人物を除けば、答えは自ずから出ると思われ。M・Qの正体の方がよっぽど以外でした。また、伏線や、トリックもなるほど、というものは特に無く、ミステリっていうかサスペンスの色合いが濃いので、本格派を期待する人からは余り人気がないのも分かる気がする。その分猟奇度高めなので、江戸川乱歩とかが好きな人にはいいのかも。

読んでいる時は、狼男は狂犬病かなんかなのかな、とか思ったんだけど、そうでもなさそう。狼憑きってどういうこと?

一行『吸血蛾』

死にすぎて、勢いでムッシュウQまで殺されちゃう話。

豆知識

三橋絹子は、『幽霊男』では大活躍。